名古屋で開業10年、顧問契約年間解約率3.6%

ポプラ社会保険労務士事務所

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Q1 どういう形式で何部届け出るの?

A:労働基準監督署に届け出る際には、以下の書類を全て2部ずつ用意します。


・就業規則届


・就業規則意見書


・就業規則



労働基準監督署は、内容を審査し、受理印を押し、1部は監督署用、もう一部は会社の控えとして返してくれます。あと、監督署用は、製本しなくてもよいですよ。



郵送でもできる!?


形式、内容が整っていれば返信用封筒を入れて郵送により届出ることもできます。


もちろん、内容に問題がある場合は、後日訂正を求められることがあります。

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Q2:有給休暇申請を拒否することはできるか?

A:〇 むずかしいですが、条件付きで拒否することができます。


時季変更権と時季変更の申し込み
①時季変更権
会社が、有給休暇を使用する日を変更することができます。ただし、非常に厳しい条件を満たすことが必要です。
主な条件は「業務の正常な運営をさまたげる事由」があること。
この事由は、ただ単に業務多忙であったり、慢性的な人手不足という事由だけでは不十分です。有給を使用する人の代わりの従業員を探したり、ほかの人の勤務予定の変更しても、代わりの労働者を確保できない場合に認められる場合があります。

裁判例から抜粋して理由を挙げると、
・1ヵ月間という長期間の年休を請求した場合(時事通信社事件 H4.6.23 最高裁)
・年休を取得しようとする日の仕事が、担当業務や所属部・課・係など一定範囲の業務運営に不可欠で、代替者を確保することが困難な状態を指す(新潟鉄道郵便局事件 S60.3.11 最高裁)


などなど、とにかく、よっぽどの理由がない限り、有給休暇拒否は難しいってことです。


強制的に「有給休暇を取らないでくれ!」とはいえませんが、お願いならできます。それが次の「時季変更の申し込み」です。

②時季変更の申し込み
時季変更の申し込みとは、経営者や上司が「この日に人数が少なくなると困るから、別の日にしてくれない? どうしてもその日がよいなら仕方ないけど」と有給休暇の申請をしてきた従業員に頼むことです。

これはただのお願いなので、従業員が「この日に休みたいんです」と言えば、その日に有給休暇を使用することを止められません。ただ、法律的に、経営者や上司が、有給休暇の申請を出されたら、有無を言わさず、有給休暇の使用を承認すべきだってことではないということです。
もちろん、会社側からのお願いなので、これを断ったからといって従業員に不利益な取り扱いをしてはいけないんです。

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Q1 一度作成したら変更は難しい? ~労働条件の不利益変更~

A: 重要な労働条件の変更は「不利益変更」の考え方を理解したうえで行ってください。


 就業規則に定めた労働条件は確定していますので、これを変更するには、「労働条件の不利益変 更」について、知る必要があります。

◆労働条件の不利益変更とは
賃下げ、退職金の減額などで従業員の労働条件を引き下げることを労働条件の不利益変更と言います。
不利益変更をするには、変更について従業員の同意が必要です。
労働条件の不利益変更は、会社の経営方針なのに、全員の同意が必要なのか、実務的に不可能だという会社も多いでしょう。
そこで、裁判例でも同意がない従業員にも不利益変更が認められる条件が存在します。

◆従業員の同意があれば問題なし
労働条件の変更が従業員にとって不利益になる場合でも、「従業員の同意」があれば労働条件は変更可能です。
そもそも、労働条件は、会社と従業員の契約なので、双方の合意があれば変更できるものです。

◆同意の取り方の留意点
労働条件の同意の取り方にも注意が必要です。

同意の取り方
・脅さない(同意しないと退職してもらう等)
・変更内容を十分に説明すること
・同意の検討に十分な期間を与えること
・同意書や合意書によって、書面で記録すること

◆従業員が同意してくれない場合は?
「不同意」の従業員がいる場合、労働条件を合法的に変更するには、その労働条件の変更が「合理的」かどうかを判断する必要があります。
不利益な変更に同意しない従業員がいる場合も、合理的だったら変更可能ということなのです(労働契約法10条)。

↓ ↓ しかし

労働条件の変更が「合理的かどうかの判断」は、明確な基準が存在せず、いわゆるグレーゾーンの部分なんです。
グレーゾーンなので、従業員やユニオン(外部労働組合)が突っ込んでくる可能性の高く、トラブルが大きくなりやすいやっかいな問題になりかねません。

しかし、「不利益変更」を必要以上に恐れる必要はありません。

堅苦しく考えず、次の条件を満たすように最大限の努力をすれば、トラブルになった時に、会社の主張の心強い根拠になるのです。

不利益変更の4条件(同意しない従業員の労働条件を変更する場合)
①変更によって被る従業員の不利益の程度は妥当か
②変更された労働条件の改善努力はされているか
③変更に経営上の必要せいがあるか
④従業員へ十分な説明がされているか

①~④の要件の詳細はどういうものかについては、お付き合いの社労士にご相談ください。
社労士によっては、4要件を満たさないと絶対に変更できないという方もいると思いますが……。

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Q1「就業規則って何?」 ~就業規則【作成】Q&A~ 

Q1 就業規則って何?

A:従業員の働く条件や、会社のルールを守る義務を定めたものです。


従業員が守るの会社のルールブックです。
法的な役目は、労働契約に優先する会社の法律のようなものです。

下のQ2とQ3で、作成のメリット・デメリットを確認してはどうでしょう?

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Q21:勤務日数が変更になったパート・アルバイトの有給休暇日数は、変更後の勤務に応じた有給休暇の日数になる?

A:×  すでに発生している有給休暇日数に変更はない 


パート・アルバイトの勤務日数が変更になった場合も、すでに発生している有給休暇の日数は、当初のままです。

例えば、

入社1年後

週3日で20時間勤務の人 から 週5日で30時間勤務に。

→入社6ヵ月後に、5日の有給化が発生。

入社当初から週5日30時間勤務の人は、入社6ヶ月で正社員と同じ有給休暇日数(10日) が必要ですが、この場合は、週3日20時間勤務で6ヶ月経過しているので、勤務日変更の影響は受けません。

この人には、5日の有給休暇を与えましょう。


では、6ヶ月目(基準日)に契約変更がある場合は、どうなるか?

この場合は、新しく変更した契約の勤務日数に応じた有給休暇を与える必要があります。上記の例とは逆になりますので、注意してください。

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Q9:試用期間中に辞めてもらう場合、解雇になるのか?

A:〇 一般的な解雇より認められやすいですが、誰でも辞めさせられるわけではありません。


本採用拒否ともいいます。試用期間中だからといって誰でも解雇できるわけではないんです。

一般的な解雇より、広い範囲で認めれやすいですが、解雇の要件を満たす必要があります。

一般的な解雇より広い事由が認められる範囲は次のような場合です。

・勤務成績不良(遅刻・無断欠勤など)

・業務不適格(運転手で運転能力に欠ける、接客業で重大なクレーム頻発など)

・協調性に欠ける(言動により同僚や上司の多数の反感を買うなど)

・経歴詐称(業務上必要な資格の詐称など)


しかし、一般社員と比べて、解雇しやすいような上記の事由があっても、解雇にできると早々に判断できません。

試用期間中であることから、会社がどのように教育し、指導したかが重要になります。会社が本人に改善するための指導せず、放置していた場合は解雇は適当ではありません。

通常の解雇でもそうですが、改善の機会を与えて、会社がしっかり指導することが求められます。


就業規則への記載

一般的な解雇より広い範囲で認められるのですから就業規則にも、本採用拒否の事由を列挙すべきでしょう。

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Q7 求人広告の労働条件を採用時に変更できるか?  ~ 労務トラブルQ&A ~

Q7:求人広告の労働条件を採用時に変更できるか?

A:〇 労働者への説明があれば可能です。


求人広告やハローワークの求人票に記載した労働条件が、そのまま採用時の労働条件にはなることを保障するものではありません。

本来の労働条件が、求人票と異なる場合には、その旨をよく労働者に説明し、実際の労働条件を明示することが必要です。

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Q20 営業社員の外回りの労働時間は、残業時間ならない?

A:× 


  労働基準法38条には、セールスや集金、取材、調査などの外回り、労働時間の算定が難しいので、所定労働時間労働時間働いたものとみなす、という事業場外みなし労働時間制という制度があります。そのためには2つの要件があります。(長いのでQ20の最後に後述します)。

しかし、ノルマがきつい場合などで所定労働時間を超えて労働することが通常必要な場合は、その時間を含めて、労働時間を計算しなければならにのです。

営業社員の外回り

通常の外回りの所定労働時間      = 8時間(所定労働時間)

 ノルマがきつい場合の必要な労働時間 =  2時間                                        

                         計  10時間

この場合、ノルマがきつい場合の2時間が1日8時間を超えての労働になるので、残業代の算定対象になります。この所定労働時間を超えて労働時間が必要とされる時間は、労使協定で定めることも可能です。

つまり、営業社員の外回りの労働時間も、残業時間になり得るということです。


事業場外労働のみなし労働時間制の2つの要件

①事業場外で業務にしたこと

②労働時間の算定が難しいこと

この2つの要件を満たさないと事業場外みなし労働時間制の適用はできません。

①事業場外で業務したこと

これは、外回り・外勤のことです。会社の外で、セールスや集金、取材、調査をすることなどといっており、建設現場などの屋外作業は含まれません。


②労働時間の算定が難しいこと

これは、会社(使用者)が労働時間を把握するしようとしても、把握ができない場合というのが二つ目の要件です。会社が具体的に指揮監督が可能な場合は、労働時間を実質的に把握できるのでみなし労働時間は適用できません。

みなし労働時間は適用できない場合の具体例をあげます。

・グループで行動し、管理者(上司)がいる場合

・携帯電話などによって、常に指示を受け、行動を報告しているような場合

・訪問先や帰社時刻などの具体的指示を受け、指示通りに行動し、帰社する場合

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Q18:退職後、同業他社に就職することや得意先に営業をかけることを禁止できるか?

A:〇 禁止する条件を限定すれば、可能。


まず、禁止するには、就業規則に退職後の競業禁止(競業避止)の規定による根拠が必要です。また、個別に合意を取り付ける必要もあります。

①同業他社への就職について

退職者には、職業選択の自由がありますので、狭い範囲でしか、禁止することはできません。①期間の制限、②対象地域③対象職種④代償の有無の4つの要件が必要といわれます。代償とは、この制限に対する何らかの代償が支給されることで、在職中の役職手当、研究手当などでも、差支えありません。

例えば、
「〇〇の業務に従事していた者は、退職日から1年経過するまで、会社の承認を得ずに同県および隣接県にて、会社と競業する業務を行ってはならない」

「退職後半年間、会社の承認を得ずに、日本国内において、会社と競業する業務を行ってはならない」

のような文面になります。

②得意先への営業禁止

退職後の得意先や顧客への禁止も、同業他社への就職禁止と同様に、期間の制限、地域の制限が要件となります。

例えば、

「理由のいかんにかかわらず、退職後1年間は、在職時に担当した営業地域(〇〇県)の貴社の顧客に対し、いかなる営業活動も行ってはならない」

という文面になるでしょう。

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Q12 成績の悪い営業社員を事務職に変更したいが可能か?  ~ 労務トラブルQ&A ~

Q12:成績の悪い営業社員を事務職に変更したいが可能か?

A:〇 


業務運営上の理由で担当職務や働く場所を変えるのは、会社に認められた人事権の範囲です。認められていても、もめる要因となるので、就業規則に配置転換について記載すべきでしょう。

また、職種や勤務地を限定した雇用契約の場合は、本人の同意なしで変更することはできないとの裁判例もあります。しかし、会社の業務上どうしても必要な場合もありますので、職種や勤務地を限定している雇用契約でも配置転換がある旨を記載する必要があります。

どちらにしても、本人が慣れ親しんだ営業職から、畑の違う事務職に変わるわけですから、業務上の必要性と本人を選んだ理由を誠実に説明することが重要です。本人のモチベーションも下がるはずなので、本人が力を発揮できるような環境づくりをすべきでしょう。

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Q6:契約期間が1年間の労働(雇用)契約書を自動更新にすることは可能か?

A:〇 当事者の同意があれば可能ですが、おススメしません。


 有期の労働契約を自動更新にすること自体は可能です。しかし、自動更新にすることは、会社側がリスクを背負うことになり、おススメできません。契約更新がめんどくさいからという理由で、アルバイトや契約社員の労働契約を自動更新にするなんてことはやめたほうがよいです。

 有期契約を自動更新にすることで、有期契約にしている意味が失われてしまうことがその理由です。幾度も契約の更新を繰り返すことで、有期契約が、「期間の定めのない契約」と同じ状態になってしまい、定年まで働く正社員と同じ労働契約期間になるということです。そうなると、有期契約を期間満了で当然に終了させることも困難になります。  

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Q2「就業規則 いつ作成する?」
~就業規則【作成】Q&A~ 

Q2 いつ作成する?

A: 起業と同時に
      「起業と同時に」です。「従業員さんがいなくても」です。


10人未満の会社は就業規則の作成・届出義務はないですが、作成できる権利はあります。権利なので、起業と同時に行使すべきです。


なぜ、就業規則作成することが義務はなく「権利」?
その理由を一つ。

    就業規則は、会社を守ることができる唯一の法律なのです。
信号があるからこそ、車がスムーズに走れるのと同じように、就業規則があれば、もう少し労務管理がスムーズになります。
それに信号がないと事故もたくさん起きるでしょう。

 だから、どの社労士も「10人未満の会社も就業規則を作成しないといけません」って言うんです。

あなたの会社の法律を作る権利は、あなたに、あるのです!

就業規則のメリット
・会社独自のルールや制度を定めることができる
・ルールを明文化することで、社内の秩序を保つことができる
・従業員とのトラブルに対処できる



就業規則がないとできないこと(困る順!?)
①懲戒処分
②残業命令
③1年変形労働時間制の導入
④試用期間の延長
⑤労働時間・休憩時間の繰り下げ繰上げ
⑥フレックスタイム制の導入
⑦出向命令
Q3で詳しく述べています。

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Q2「就業規則の一部を変更したら、変更していない部分も全部届け出る?」 ~就業規則【変更】Q&A~ 

Q2:就業規則の一部を変更したら、変更していない規則も労働基準監督署に届け出る?

A:×


変更した部分だけでよいです。


もちろん、全て届け出てもOKです。変更部分があちこちにあって、全部届け出た方が簡単だというときは、変更箇所をわかるようにして出します。

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Q1:「会社都合退職にしてくれ」と退職者から言われたら拒否できるか?

A:〇  ただし、退職に関しては、お互い感情的になりやすく、対応次第で致命的なトラブルになる可能性があります。


自ら退職を申し出た者が、あとから退職事由を「会社都合に変えてほしい」言ってくることがあります。

なぜ、そんなことを言うかというと……
①失業手当を早くもらいたいから
②モメた結果、自己都合退職になったが、やっぱり納得いかない。

話すことができるなら「なぜ、会社都合にしてほしいのか」を本人への確認をしてください。


①の場合
会社都合にすると失業手当が早く、場合によっては金額も多く貰えるんです。
会社が何もしていないのに自ら退職を申し出た方の場合は、丁重にお断りしてください。


②の場合
事実がどうであれ、一度モメた退職者が主張しだしたら、まず、相手の主張と要求は何かをしっかり確認してください。

退職者が「未払い残業代」「解雇予告手当」を請求してきたら、「会社都合の退職」に離職理由を変更したほうがよい場合もあります。

リスクを軽減したいなら、社会保険労務士などの専門家にするのがベターでしょう。

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Q5 親会社の都合で会社を休みにしたら、休業手当を請求されたが支払うべきか? ~ 労務トラブルQ&A ~

Q5:親会社の都合で会社を休みにしたら、従業員から休業手当を請求されたが支払うべきか?

A:〇  法律上、支払う必要があります。

 


 

経営者にとっては非常に厳しいですが、労働基準法で休業手当の支払いが必要とされています。本来だったら従業員は働けたはずだが、経営側の責任で、働けなくなったので、給与を補償せよということです。

親会社以外も、取引先から納品がないなどの場合も同様に会社都合と判断されてしまいます。

コロナも厚生労働省の見解では、会社都合の休業とされています。

会社都合の休業かどうかは、①外部要因が休業の原因か②経営者として最大の注意を尽くしても避けることのできない事態かの2つの基準で判断されます。

コロナで緊急事態宣言が出ている場合、①については会社に原因はないと思われますが、②は微妙で会社に原因があるといわれる可能性もあります。

緊急事態宣言が出ていても、テレワークや配置転換で休業の回避が可能な場合もあるでしょうし、飲食店であれば、ウーバーイーツを導入して配達できるようにすれば、休業を回避できる=会社都合の休業と判断される可能性があります。

コロナが会社都合の休業になる可能性が高いことには、納得いかない経営者の方もいるでしょうし、私としてもあまり納得はいっていないのです。ただ、雇用調整助成金の特例もあるので、特に大きな議論にはなっていないですね。

 

ちなみに、震災による計画停電や休業の場合は、経営者に責任はないので、休業手当を支払う義務はありません。

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Q2 パートタイマー就業規則は、パートタイマーの意見のみ聴けばよい?  就業規則【届出】Q&A

Q2 パートタイマー就業規則は、パートタイマーの意見のみ聴けばよい?

A × 


就業規則の意見書については、パートタイマーを含めた全従業員の過半数代表者の意見を聴く必要があります。

これはパートタイマーの就業規則も会社全体の就業規則から生まれた一部なので、意見の聴取は全従業員の過半数代表に決められています。

Q10:病気で欠勤中の従業員を解雇以外の方法で辞めてもらうことはできるか?

A:〇 就業規則の休職規定を確認してください。 


 就業規則の休職規定に、「休職期間が満了しても復職できない場合は、休職期間満了の日をもって退職する」とか「休職期間満了時に休職事由があるときは退職する」という規定はありませんか?

このような休職の規定があれば、休職期間満了時に当然に退職してもらうことは可能です。当然に退職という形にするには、会社が従業員に対して、休職命令を発している必要がありますし、就業規則次第では復職できないという判断が難しい場合もあります。

そもそも、休職期間が満了しても病気が治らない場合どうするのかという規定がないともめる要因となります。ほとんど見たことはありませんが、規定の「退職する」の部分が「解雇する」になっている場合は、やっかいですが。もちろん、解雇は難しいですので。

休職規定が整備されていない場合は話し合いを尽くすしかないでしょう。

今後、就業規則を整備する際は、休職期間を短く設定するか、勤続年数によって休職期間を段階的に長くするのがよいでしょう。現実的には、復職できないことも多いですし、会社の社会保険料の負担も大きいので。

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Q8:社員が休日にアルバイトしている、禁止できるか?

A:△ 


裁判例を見ても、禁止できるという考えと禁止できないという考え方があります。

禁止できるという考え方は、労働者が信義を尽くし誠実に労働力を提供する義務があるという民法の考えに基づいています。

禁止できないという考え方は、労働者が労働力を提供するのは就業時間中だけで、それ以外の時間をどう使っても労働者の自由だということです。

会社としては「兼業禁止」のスタンスをとるべきですが、どんな場合に禁止して、どんな場合に認めるかの判断が必要になってきます。

では、どうすればいいのでしょう?

就業規則に、兼業禁止規定を設け、許可制にするよいでしょう。

休日をどう使うかは自由だが、休日に労働することで、翌日の仕事に影響が出る場合や、同業他社などで企業秘密が漏れる可能性がある場合は、許可しないなど、禁止の妥当性がある場合を列挙し、運用のルールを統一すべきでしょう。

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Q11 : 健康診断の料金と受診時の賃金は、会社が負担すべきか? 

A:〇 健康診断料金は会社の負担

   × 健康診断受診時の賃金は、労使間の取り決めによります。 


健康診断料金は会社が負担すべきものです。

ただし、再検査や精密検査の費用は、労使間の取り決めによります。健康診断の再検査のほとんどは、健康保険が使えることで、3割負担になるので、個人的には従業員さんに払ってもらっても問題ないと思います。

健康診断を受診している時間の賃金は、支給しなくてもOKです。一般的に通常の就業時間中に健康診断を受ける場合は、賃金を支給する会社が多いです。

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Q13:休日に出張先へ前乗りしたが、その時間は休日労働になるか?

A:×  


出張中の移動時間は、実労働時間ではないので、休日労働や時間外労働になりません。ただ単に、交通機関に乗っているだけの時間は、休憩時間に近い時間と解釈されています。 

ただし、移動時間中に物品の監視など業務上の指示がある場合は、労働時間になりますので、休日労働に該当します。

Q14 1か月の休日をすべて休日労働させることは、違法か?  ~ 労務トラブルQ&A ~

Q14:1か月の休日にすべて休日労働させることは、違法か?

A:× 36協定で届け出ており、残業代を払っていれば適法。


休日労働の回数に限度はありません。つまり、残業代さえ払っていれば、休日全部出勤してもらってもかまいません。もちろん、36協定で休日労働の回数を定めた範囲内である必要はありますが。

この場合、1か月の労働時間は相当多くなるので、該当従業員の健康面には十分注意が必要です。会社としては、安全配慮義務がありますし、労働局から過重労働削減の指導を受ける可能性もあります。

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Q15 有給休暇取得日の通勤手当カットは可能?  ~ 労務トラブルQ&A ~

Q15:有給休暇取得日の通勤手当カットは可能?

A:〇 就業規則などに根拠規定を定めていることが条件になります。


現に支給している通勤手当をカットするには、就業規則などで根拠規定が必要です。

実際に出勤した時のみ支給する旨など就業規則に明記し、支給基準を明確にする必要があります。

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Q16:自主的な残業に、残業手当は不要か?

A:△ 業務命令でない残業は、残業手当は不要ですが…。 


本来、残業は、上司からの業務命令で行うべきことで、自主的な残業は、労働に当たりません。労働に当たらないので残業手当は不要です。

しかし、残業を会社が黙認している場合は、自主的な残業も「労働」になるので、残業代を支払うべきだというのが、労働局の指導や多数の裁判例の流れです。

他にも、「客観的に見て、勤務時間内に終わらないような業務を与えた場合」は、黙示の残業命令だとみなされ、残業代を支払わねばなりません。

このような場合は、「残業をするな」という明確な業務命令が必要です。その場合、残業することが業務命令違反となります。ですので、就業規則にのっとった懲戒処分の対象となります。

とはいっても、現実問題として、働いてくれている従業員に懲戒処分は酷ですし、好きで残業している従業員は稀です。

「〇時になったら、パソコンの電源や照明を落とす」など、強制力を持って、残業をやめさせてください。最初は嫌がられますが、時間を区切ることで、従業員が仕事のやり方を変えるきっかけになります。

経営者としては心苦しい面もあるでしょうが、勝手な残業をやめさせるには、心を鬼にして取り締まらなければ、最終的に残業代を支払わなくてはならないことになってしまいます。

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Q17:従業員に損害賠償請求をすることは可能か?

A:〇 


従業員が重大な就業規則違反、重大な背信行為、横領、窃盗などを起こした場合、損害賠償請求ができます。しかし、損害賠償請求できる場合は、ある程度限定されます。特に過失の場合は、仕事自体の性質や従業員教育の不徹底、会社の管理不足を問われます。過失の場合は、損害は、会社と従業員が公平に損害を負担すべきだという考えから損害賠償金額が減額されることが多いです。



懲戒処分と損害賠償についてもよく質問があります。

できないと勘違いされるが多いことですが、懲戒処分と損害賠償は別物なので、懲戒処分をして、さらに損害賠償請求をすることは可能です。

しかし、従業員の過失が軽いものの場合は、懲戒処分が行われていれば、損害賠償をすることができないという裁判例もあります。

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Q22 試用期間中で10日しか働いていない場合の解雇、解雇予告は不要?  ~ 労務トラブルQ&A ~

Q22:試用期間中で10日しか働いてなければ解雇予告は不要??

A:△  入社から歴日数で14日以内であれば解雇予告不要です。


よくある勘違いです。

試用期間中で14日以内であれば解雇予告不要、14日を超えれば試用期間中でも通常の従業員と同じく解雇予告が必要。

この14日ですが、労働日数ではありません。

暦日カウントなので、入社日から15日目には解雇予告が必要になります。 

◆入社日から14日以内だからといって簡単に解雇できるわけではない

注意しなければならないのは、入社14日以内だから簡単に解雇できるわけではないということです。

もちろん、試用期間中の者は、通常の労働者より広い範囲で解雇の自由が認められますが、軽微な理由での解雇は難しいのです。

解雇の理由に正当性がない場合は、不当解雇として争われる余地が残ります。 

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Q3「就業規則を作成しないとどうなる?」 ~就業規則【作成】Q&A~ 

Q3 作成しないとどうなる?

A:理不尽な要求を飲むことになります。
戦わずして降参することになります。会社が正しいのに、降参する他ないの
で、すごく悔しいです。


 なぜ就業規則がないと戦わずして降参することになるのか、

 わかりやすい理由を1つだけあげます。

  

  就業規則がないと、残業させることができません。
残業を命令するための要件として、最高裁は、「就業規則で、残業をさせることができる旨を定め」が必要と判断しています(裁判例①)。
つまり、従業員の「残業したくないです」という主張に対し、命令する根拠がなくなってしまいます。

また就業規則がないと懲戒解雇などの処分もできません(裁判例②)。
こういう問題社員に根拠をもった対処できなくなります。

最近流行りのモンスターなんとか並みの従業員でも、最初はおとなしくしています。そんな従業員が入社してした時のために、従業員がいなくても就業規則を作成してはどうでしょう。

極論のような例を挙げましたが、作成しない理由を探すことは、道端で1億円の札束を拾うくらい難しいと思います。

【裁判例①:日立製作所武蔵工業事件 H3.11.28 最高裁】
【裁判例②:フジ興産事件 H15.10.10 最高裁】

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Q19 営業担当は、営業手当を支給しているので、残業代は不要か?  ~ 労務トラブルQ&A ~

Q19:営業担当は、営業手当を支給しているので、残業代は不要か?

A:× 


営業手当を支払っているからといって、残業代が不要になるとは限りません。

営業手当を残業代相当分として支給するためには「営業手当が残業代であると雇用契約書か就業規則で明示すること」が必要です。

営業手当がついているけど、残業代なのか、営業という職種に対してついているのか、交通費や旅費の代わりなのか、従業員にはわからないということが多いです。

それを残業代相当の手当だと明確にするため、雇用契約や就業規則で明示するのです。

また、営業手当が残業代相当分と明示していても、実際の残業が営業手当を超えた場合はその超えた分を別途支給する必要があります。

固定の営業手当を支払っているから残業代は、必要ないということはありません。

でも、そもそも、営業は、外勤なので、残業代は発生しないんじゃないかと思う方もいるでしょう。そんな方は、「労務トラブルQ&A Q20 営業社員の外回りの労働時間は、残業時間にならない?」を参考にしてください。

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Q3 採用選考のために応募者に健康診断を受けさせることは可能か?  ~ 労務トラブルQ&A ~

Q3:採用選考のために応募者に健康診断を受けさせることはできるか?

A:〇  できないと勘違いされている方も多いですが、可能です。


業務への適正を把握するために必要であればOKです。
ただし、NGとされる場合もあります。例えばHIV検査やB型肝炎等の感染性の低い感染症の情報などは、職務上特別な必要性がある場合を除き、取得すべきでないという行政の通達があり、裁判例でもHIVの無断検査を違法としています。

採用後、少しした後に持病が発覚するのはよくあるケースです。そんなトラブルを避けるためにも採用選考時に健康診断したほうがよいでしょう。

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Q4「就業規則をプロが作成する理由?」 
~就業規則【作成】Q&A~ 

Q4 プロが作成する理由

A:微妙な言葉の違いで、結果が180度変わるからこともあるからです。


例えば


第○条 (年次有給休暇)


①年次有給休暇を取得しようとする者は所属長の許可を受けなければならない。

年次有給休暇を取得しようとする者は所属長の

②年次有給休暇を取得しようとする者は所属長の承認を受けなければならない。

承認

許可と承認の違いですが、全く意味が違います。


これはよくあるひっかけ問題のようなもので、わかりやすい例のひとつです。



ほんの少しの言い回しや文言で、意味合いが変わってしまいます。


例えば


「直ちに」「遅滞なく」「速やかに」や「みなす」「推定する」の違いなど、法律用語はややこしいものばかりです。



ちなみに、報酬をいただいて就業規則を作成、変更できるのは社会保険労務士と弁護士だけなんです。就業規則作成でお悩みの方は、各県の社会保険労務士会などで社会保険労務士を探してみてはどうでしょう?

Q3 内規も労働基準監督署に届出る必要があるか?

A:〇 運用規定や解釈規定のみ定めた内規であれば、届出不要


内規とは、会社の組織や就業規則の中身の解釈や取り扱い、運用方法については定めだものです。運用規定や解釈規定のみの内規は、「就業規則」に該当しないので、労働基準監督署への届出は不要です。

ただし、内規といっても、労働条件や服務規程などを定めている場合は、内規ではなく「就業規則」として取り扱う必要があり、労働基準監督署への届出が必要です。

よくあるのが、就業規則の退職金規定で退職金の支給要件などを定め、内規で「退職金の計算方法」や「勤続年数と退職金のマトリックス表」を記載している場合があります。この場合の内規は、就業規則の相対的記載事項(社内にそういう制度があれば就業規則に載せなければならない)に該当し、就業規則として取り扱う必要があるので、届出が必要になります。

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