名古屋で開業12年、顧問契約年間解約率3.6%

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39:2030年なかばまでに最低賃金が1,500円になるって本当?

〇 2030年半ばに、最低賃金1500円、『正社員の最低月給26万円』
  
になると予想されます。

■最低賃金1,500円、正社員の最低月給が260,000円
2023年8月31日に岸田政権が発表した政府の新しい目標によれば、2030年代半ばまでに日本の最低賃金は、全国加重平均で時給1500円に引き上げられることが予定されています。

 
2023年10月時点での全国加重平均賃金は、時給換算で1,004円です。
毎年の引き上げ率3.4%で試算すると2035年には1,500円に到達する見込みです。


この予測を表にすると・・・

  全国加重平均 愛知 東京
年月 UP率 時給 月給換算 時給 月給換算 時給 月給換算
2023年10月   1,004 174,495 1,027 178,492 1,113 193,439
2024年10月 3.4% 1,038 180,404 1,062 184,575 1,151 200,043
2025年10月 3.4% 1,073 186,487 1,098 190,832 1,190 206,822
2026年10月 3.4% 1,110 192,918 1,135 197,263 1,231 213,947
2027年10月 3.4% 1,148 199,522 1,174 204,041 1,273 221,247
2028年10月 3.4% 1,187 206,300 1,214 210,993 1,316 228,720
2029年10月 3.4% 1,227 213,252 1,255 218,119 1,361 236,541
2030年10月 3.4% 1,269 220,552 1,298 225,592 1,407 244,536
2031年10月 3.4% 1,312 228,025 1,342 233,239 1,455 252,879
2032年10月 3.4% 1,357 235,846 1,388 241,234 1,504 261,395
2033年10月 3.4% 1,403 243,841 1,435 249,403 1,555 270,259
2034年10月 3.4% 1,451 252,183 1,484 257,919 1,608 279,470
2035年10月 3.4% 1,500 260,700 1,534 266,609 1,663 289,029

※あくまで毎年3.4%ずつ最低賃金が上がると仮定した予測の金額です。

 

■最低賃金が上がることのリスク
この政策は、中小企業にとって大きな挑戦をもたらす可能性があります。
特に、業績が不確実な状況下での賃金上昇は、雇用創出に対して悪影響を及ぼす可能性があるため、企業は人件費の増加にどのように対応するかを慎重に検討する必要があります。

中小企業の経営上のリスクには、以下のようなものが含まれます

1.財務的な圧力の増大
 
最低賃金の引き上げは、特に人件費が大きな割合を占める業種では、利益の圧縮を招く可能性があります。

2.雇用構造の変化
最低賃金の増加は正規雇用のコストを上昇させ、企業が非正規雇用へとシフトする動機を強化するかもしれません。これにより、労働市場全体の不安定さが増すことが懸念されます。

3.生産性の向上
賃金が上がると、企業は労働生産性の向上を迫られることになります。そのため、効率的な業務プロセスや技術投資が必要とされるでしょう。

 

■対策
以下のような対応が必要になるでしょう。

1.離職率の低減と採用と育成方法の見直し  

    働きやすい職場を本気で目指し、離職率の低減を目指すことが最も近道でし 
  ょう。今までのように「良い人」を採用したくても、支払える給与には限界が    
  あります。

   これからは、「普通の人」「仕事があまりできなくても、性格がよく、長く働
  いてくれる人」
を採用し、従業員が企業に長く留まることで、経験値や技術力
   を少しずつ上げてもらうような、採用や育成方法にシフトしていくことも考え
   
ていくことが必要です。

2.労働生産性の向上
    
技術導入や効率化を進め、生産性を向上させることが求められます。
  生産性を向上させたり、業務効率化を進めるうえで、デジタルツールの導入や
  業務プロセスの見直しが必要とされるでしょう。
   デジタル化やオートメーションの導入により、生産性を向上させ、人件費の
  増加を相殺することも選択肢に入れざるを得ないでしょう。

3.価格転嫁
   コスト増加を商品やサービスの価格に反映させる必要も出てくるでしょう。

4.給与体系の見直し
 あまりに速いスピードで最低賃金が上がるので、今までの給与体系のままでは対応できない企業が急増することが予想されます。

 基本給だけでなく、『等級制度』『固定残業手当』『賞与』『家族手当や住宅手当の属人的な手当』などを見直したり、新たに設計したりして、対応する必要があります。ただし、成果主義や資格等級制度の導入は、辞めたほうが良いでしょう。

 

■成果主義は、導入してはいけません
 
1990年代後半から2000年代にブームになった『成果主義』や『資格等級制度』は、その運用の難しさから、導入した企業のほとんどが失敗しています。

しかし、コロナ禍で『成果主義の導入ブームが再燃』し、さらに最低賃金の引き上げによって、成果主義の導入を考える企業も増えてくることが予想されます。


今までの成果主義制度には、根本的な欠陥がいくつもあります。

その一つが『従業員の自意識』にあります。


■従業員が考える公平性と会社が考える公平性

会社:成果主義を導入して、全員に『公平な』給与体系にしたい。
    成果を出している人は報酬を与え、成果が出ない人は評価しない。

従業員:今の仕事を考えると自分の給与には納得いっていない。会社が『公平』
    に評価してくれるなら給与が上がるはずだ。

従業員の大多数は、「自分はもっと給与をもらってもよい。自分の仕事に対して給与が低い」と思っています。

そもそも、自分を客観視できる従業員は少ないです。

全体を俯瞰してみることができるのは、経営者や役職者の立場がそうさせているので、役職がない一般社員は自分の目に見える範囲で自分の都合の良い解釈をしがちです。

その結果、「公平に評価するって会社が言ったのに、給与が上がらない。こんなのおかしい!!」と不満が高まります。

成果主義は、全員が給与があがるわけではないので、従業員の一部に大きな不満がたまって、モチベーションが低下し、様々なところでボトルネックが発生してしまいます。


■成果主義が失敗する根本的理由
さらに実務上は次のようなケースで。運用が失敗してしまいます。

・評価者によって、評価に差が出る。評価者Aさんは厳しめの査定だが、Bさん甘め
 の査定になり、評価基準が統一されない
・評価を伝える人の伝え方が下手で、従業員のモチベーションが下がる
・そもそも成果を個人に結び付けるのが困難で、評価について従業員に納得しても
 らう説明ができない。その材料がない
・事務職や管理職など、数値で表せない業務の評価が難しく、従業員のモチベー
  ションが下がる。
・お金で動く社員はお金で去っていく。お金や数値しかみず、あつれきが生まれる
・個人とチームが対立するなど、チームワークの弊害が生まれる

 

■しかし、給与体系の変更はせねば・・・
 
成果主義を含む給与体系の変更は、社労士や人事コンサルタントの専門分野です。が、しかし・・多くの社労士やコンサルタントは自分たちが持っている「一定のパターン」に企業をあてはめるだけで、運用は企業任せということも多く、そのような制度が失敗するのは目に見えています。

中小企業が自ら運用できる制度であることが大前提ですし、導入後は、必ずバージョンアップやブラッシュアップをする必要があります。

 

給与体系の変更でお悩みの経営者や人事労務担当者は、ぜひ一度、ポプラ社会保険労務士事務所の『無料相談』をお試しください。

 

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