名古屋で開業14年、顧問契約年間解約率3.6%
ポプラ社会保険労務士事務所
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2025年10月時点の最低賃金政府目標とその後の予測
■最低賃金1,500円、正社員の最低月給が260,000円へ
―― 正社員の最低月給26万円が現実になる日
近年、最低賃金はかつてないスピードで引き上げられています。
「最低賃金1,500円」という言葉も、もはや非現実的な数字ではありません。
最低賃金引上げのこれまでの流れ
今後の見通し
中小企業にとってのリスク
いま経営者が考えるべき具体的対策
を、実務目線でわかりやすく整理します。
■最低賃金引上げのこれまでの流れ
① 2016年〜2022年:3%台の引上げが続いた時代
2016年から2022年10月まで、最低賃金はおおむね年3%台で引き上げられてきました。
この背景には、当時の安倍政権が掲げた「当時の東京オリンピックの2020年までに最低賃金の全国加重平均を1,000円にする」という政策目標があります。
この期間は、政策主導による計画的な引上げが行われていた時代と言えるでしょう。
2023年以降、最低賃金の引上げ率は明らかに加速しています。
2023年10月:4.5%
2024年10月:5.1%
2025年10月:6.3%
毎年、上昇幅そのものが拡大ており、企業にとっては「想定しづらい時代」に入っています。
――「2030年代半ばに1,500円」
2023年8月31日、岸田政権は
「2030年代半ばまでに最低賃金を1,500円に引き上げる」という目標を発表しました。
2023年10月時点の全国加重平均は 1,004円。
ここから毎年約3.4%ずつ引き上げると、2035年頃に1,500円に到達します。
これまでの引上げ実績を踏まえると、決して非現実的な数字ではないと考えられます。
――「2020年代に1,500円」へ前倒し
2024年10月1日、石破政権は目標をさらに前倒しし、「2020年代のうちに1,500円を目指す」と発表しました。
仮に2029年に1,500円を達成する場合、必要な引上げ率は 年7.3% にもなります。
これは、
時給ベースで 平均約90円/年
月給換算で 平均約15,000円/年
という水準です。多くの企業にとって、従来の給与体系のままでは対応が難しい水準と言えるでしょう。
なお、この目標は「経済成長を伴った物価の安定」が前提とされています。
そのため、有識者の中には 実現は難しい という見方もあります。
最低賃金の急速な引上げは、中小企業にとって大きな経営課題です。
特に業績が不安定な局面では、慎重な対応が求められます。
■中小企業が取るべき対策
以下のような対応が必要になるでしょう。
1.離職率の低減と採用と育成方法の見直し
最も重要なのは、離職率を下げることです。
これからの時代、「優秀な人材を高い給与で採用する」という戦略には限界があります。
これからは、「普通の人」「仕事があまりできなくても、性格がよく、長く働いてくれる人」を採用し、従業員が企業に長く留まることで、経験値とスキルを高めてもらうという発想への転換が求められます。
2.労働生産性の向上
最低賃金の上昇は、「生産性向上を先送りできない」というメッセージでもあります。
生産性を向上させたり、業務効率化を進めるうえで、デジタルツールの導入や業務プロセスの見直しが必要とされるでしょう。 デジタル化やオートメーションの導入により、生産性を向上させ、人件費の増加を相殺することも選択肢に入れざるを得ないでしょう。
3.価格転嫁
コスト増をすべて企業努力で吸収することには限界があります。商品・サービスへの適切な価格転嫁も、現実的な選択肢です。
4.給与体系の見直し
あまりに速いスピードで最低賃金が上がるので、今までの給与体系のままでは対応できない企業が急増することが予想されます。
基本給だけでなく、『等級制度』『固定残業手当』『賞与』『家族手当や住宅手当の属人的な手当』などを見直したり、新たに設計したりして、対応する必要があります。
ただし、ここで注意すべき点があります。安易に成果主義や資格等級制度の導入することは、辞めたほうが良いでしょう。
■成果主義は、安易に導入してはいけません
1990年代後半から2000年代にブームになった『成果主義』や『資格等級制度』は、その運用の難しさから、導入した企業のほとんどが失敗しています。
しかし、コロナ禍、最低賃金の急上昇、物価高を背景に、再び成果主義導入を検討する企業が増えると予想されます。
今までの成果主義制度には、構造的な問題があります。
その一つが『従業員の自意識』にあります。
■従業員が考える『公平』と会社が考える『公平』
会社の考え:成果主義を導入して、全員に『公平な』給与体系にしたい。
成果を出している人は報酬を与え、成果が出ない人は評価しない。
従業員の考え:今の仕事を考えると自分の給与には納得いっていない。
会社が『公平』に評価してくれるなら給与が上がるはずだ。
従業員の大多数は、「自分はもっと給与をもらってもよい。自分の仕事に対して給与が低い」と思っています。
そもそも、自分を客観視できる従業員は少ないです。
全体を俯瞰してみることができるのは、経営者や役職者の立場がそうさせているので、役職がない一般社員は自分の目に見える範囲で自分の都合の良い解釈をしがちです。
その結果、「公平に評価するって会社が言ったのに、給与が上がらない。こんなのおかしい!!」と不満が高まります。
成果主義は、全員が給与があがるわけではないので、従業員の一部に大きな不満がたまって、モチベーションが低下し、様々なところでボトルネックが発生してしまいます。
■成果主義が失敗する根本的理由
さらに実務上は次のようなケースで。運用が失敗してしまいます。
・評価のブレ
評価者によって、評価に差が出る。評価者Aさんは厳しめの査定だが、Bさん甘め の査定になり、評価基準が統一されない
・評価の伝え方が悪く、モチベーションが下がる
評価を伝える人の伝え方が下手で、従業員のモチベーションが下がる
・成果を個人に結びつけられない
そもそも成果を個人に結び付けるのが困難で、評価について従業員に納得しても
らう説明ができない。その材料がない
・数値化できない職種の評価が困難
事務職や管理職など、数値で表せない業務の評価が難しく、従業員のモチベー
ションが下がる。
・お金だけで動く人材が増える
お金で動く社員はお金で去っていく。お金や数値しかみず、あつれきが生まれる
・チームワークが崩れる
■それでも給与体系は見直さなければならない・・・
成果主義を含む給与体系の変更は、社労士や人事コンサルタントの専門分野です。しかし実際には、「決まった型を当てはめるだけ」「運用は会社任せ」という制度設計も多く見られます。
中小企業に必要なのは、自社で運用できる制度、導入後も改善できる制度です。
給与体系の変更でお悩みの経営者や人事労務担当者は、ぜひ一度、ポプラ社会保険労務士事務所の『無料相談』をお試しください。
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