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ポプラ社会保険労務士事務所

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1.労働基準監督署から調査通知が届いたら

労働基準監督署から突然、「労働条件等に関する調査の実施について」「労働時間調査について(来署願い)」などの通知が届いたら、戸惑う経営者も多いのではないでしょうか。

労基署の調査では、労働時間、残業代、36協定、就業規則、健康診断など、会社の労務管理が法律に適合しているか確認されます。

調査の通知が届いたからといって、必ずしも会社に法令違反があるわけではありません。
大切なのは、調査内容を確認し、問題になりそうな事項を事前に把握しておくことです。

ポプラ社会保険労務士事務所では、経営者の立場から、調査に向けた準備や労務管理上の問題点の整理、改善方法についてアドバイスしています。

2.調査対象になりやすい会社

 

・過去に調査があった(過去2年度の調査で法違反があった会社は確率は上がります)

・36協定を毎年出していない

・特別条項付きの36協定を出している(特別条項付き=長時間労働をしている会社)

・新しく労働保険の成立届を出した会社(支店、店舗)

・地域別最低賃金を下回っている会社(又は最低金ギリギリの会社)

・大けがや死亡事故など大きな労災事故があった

・労働者や退職者が労働基準監督署に相談に行った

 

3.調査では何を調べる?

・36協定は、届け出されているか
・36協定の労働者代表の選任は適正か
・36協定の範囲内の時間外労働に収まっているか
・
タイムカード等で労働時間を適正に把握しているか
・時給計算は1分単位で計算されているか
・実際の労働時間に応じた賃金・残業代を支払っているか
・固定残業代の制度や運用に問題がないか
・残業単価の算出は正しいか
・月給者も含め、最低賃金を下回っていないか
・毎年、定期健康診断しているか
・健康診断で異常の所見が出た人について、医師の意見聴取をしているか
・深夜業をしている人は6か月に1回健康診断しているか
・有給休暇の管理簿は作っているか
・正社員などの有給休暇は、年5日間取得させているか

4.調査で指摘されやすい問題


① 労働時間の管理
「タイムカードの記録と実際の勤務時間が一致していない」、「始業時刻が全員同じ」、「休憩時間が正しく管理されていない」などの問題です。

② 残業代の計算
「週40時間超の時間外労働や法定休日労働は適正に計算されているか」「割増賃金の計算方法(諸手当やインセンティブなども残業単価に入れているか)」、「固定残業代の運用」などに問題がないか確認されます。

③ 36協定
36協定の未届出、期限切れ、時間外労働の上限超過などが問題になる場合があります。

労働者代表が適正に選任されているかも確認されます。
また特別条項付きの36協定を提出している会社については、2026年9月以降は『健康・福祉確保措置』と『特別条項発動通知』などは必ず確認と思われます。

④ 健康診断・安全衛生管理
定期健康診断の未実施や、健康診断で異常の所見がある従業員について医師等の意見を聴いていないことなどが問題になる場合があります。


⑤有給休暇の管理や年5日取得
『有給休暇の管理簿』は必ず確認されます。また正社員などは、年に5日以上取得させているかも確認されます。

 

調査では、書類が整っているかだけでなく、実際に会社がどのように運用しているかも重要です。

労働基準監督署の調査の際は、聞かれたことに真摯に答えることが重要で、変にごまかしたりしないことです。

労働基準監督署の調査は、悪質なケースを除いては、処罰することが目的ではなく、将来に向かって、法律を守ってもらうということを重視するので、真摯に対応するのが一番です。

5.調査で必要になる主な書類

調査では、一般的に次のような書類が確認されます。

  • 就業規則・賃金台帳

  • 労働条件通知書・雇用契約書

  • 賃金台帳

  • タイムカード・出勤簿などの労働時間記録

  • 36協定の届出控え

  • 年次有給休暇管理簿

  • 健康診断関係の記録

  • 変形労働時間制に関する労使協定・勤務シフト表など

6.調査前に会社がすべきこと

最も重要なのは・・・
事前に労務管理上のリスクを把握し、どう改善するか考えておくことです。

例えば、調査前に次のような確認を行います。

  • 未提出の36協定や不備のある書類がないか

  • 労働時間と賃金の計算に相違がないか

  • 未払い残業代が発生している可能性がないか

  • 法令違反が疑われる事項を改善できるか

  • 指摘された場合に、どのような改善策を講じるか

問題が見つかった場合は、改善できる事項から速やかに対応することが重要です。
もちろん、過去に作成していなかった書類を、当時作成していたように装うことはできません。

現段階でどう改善すればいいのか、今後のどう改善していくべきかを検討することはできます。

会社が改善に本気だと示し、実際に改善すれば、労働基準監督署も基本的には、書類送検や司法処分をしたりすることはめったにありません。

7.是正勧告を受けた時は?


調査の結果、法令違反が確認されると、労働基準監督署から是正勧告書が交付されることがあります。

是正勧告を受けた場合は、指摘内容を確認し、必要な是正を行い、指定された期限までに是正状況を報告することになります。

例えば、残業代の未払いを指摘された場合には、対象となる期間や労働時間、賃金計算の内容を確認し、必要な対応を検討します。

なお、是正勧告を受けたこと自体が、直ちに刑事処分を意味するわけではありません。

一方で、重大・悪質な違反や、指導後も是正が行われない事案については、送検される場合もあります。

指摘内容に疑問がある場合は、事実関係や法令上の根拠を確認し、必要に応じて監督官へ説明することも重要です。

最後に 調査は怖いですか?

「労働基準監督署の調査は怖いですか?」

経営者から、このような質問を受けることがあります。

監督署の調査を経験したことがない経営者にとって、不安になるのは当然だと思います。

しかし、監督官は、法令違反があれば必ず書類送検するわけではありません。違反内容を確認し、会社に改善を求めることも重要な役割です。

もちろん、こちらの言い分も聞かずに頭ごなしに否定したり、上から目線で嫌な言い方をしてくる変な監督官も大昔はいたかもしれないですが、最近はそんな人はいません。

会社ができていないことはしっかり指摘しつつも、会社の言い分も聞いてくれたり、気持ちをくんでくれたりする監督官もいます。

大切なのは、調査を必要以上に恐れることではなく、会社の現状を正しく把握し、適切に対応することです。

私は、経営者が必要以上に不安にならないよう、事前に問題点とリスクを説明し、会社としてどのように対応すべきかを考えることを大切にしています。

また、調査のきっかけが従業員や退職者からの申告だった場合は、労基署への対応とは別に、本人とのトラブルへの対応が必要になることもあります。

労基署の調査を終えれば、従業員との問題もすべて解決するとは限りません。

そのため、調査への対応と従業員との紛争への対応を分けて考えることも重要です。

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